例えて言うなら毛布のような

月に一度、オンラインの読書会に参加している。

その月の担当者が本を決め、その本の感想などをみんなで話す。思いがけない本との出会いがあったり、他の人の話を聞いて新たな発見があったり。楽しみな時間だ。

 

その第一回目で紹介いただいたのが、安達茉莉子さんの「何か大切なものをなくしてそして立ち上がった頃の人へ」

(その後、トークショーでご本人に会えるとは思ってもみなかった!)

ずっと撫でていたくなる紙を使い、リソグラフで丁寧に刷られた本。ゆっくりとページをめくる。

 

普段あまり人に見せないような、心の柔らかいところ。この本で綴られている言葉はそこに優しく響く。読書会ではその柔らかいところをそっと他の人に見せ、そして自分の中で生まれた響きが広がっていくような気がした。

 

もし言葉に手触りや匂いがあるとしたら、安達さんが書かれる言葉はブランケットみたいなんだろうな。しっくりと柔らかく馴染む、お日様に干したふかふかのブランケット。いい手触りといい匂いのブランケットに包まれたら、極上の気分になれそう。

 

そして先日、もうすぐ安達さんの初エッセイが出ることが分かった。タイトルは「毛布 あなたをくるんでくれるもの」

うわ〜っと叫んで、駆け出したくなるような心持ちで早速予約した。手にするのが待ち遠しい。