シナモンロールとコーヒー持って
昨年末「トーベ」という映画を観た。
ラスト近く、トーベの部屋を訪れた人が「お土産」とさりげなく紙袋を渡す。中は素朴で美味しそうなシナモンロール。トーベは喜び、コーヒーを淹れる。きっと、シナモンロールとコーヒーをお供に、いろんな話をしたんだろうな。
気取りのない、その感じがいいなと思った。
さて。先日友人と、川縁を散歩しようという話になった。広々とした場所を歩きながら話すのは楽しい。
友人が「コーヒー持ってくよ」と言ってくれたので、私はシナモンロールを持っていった。時々ある、溶かした砂糖がたっぷりかかっているやつじゃなく、トーベがお土産でもらったようなの。
川縁を歩き、レジャーシートを敷く。
早速シナモンロールとコーヒーを出す。
むっちりとした生地を噛むと、じんわりした甘さとシナモンの香りが口いっぱいに広がる。そこでコーヒーをひと口。苦味がまた甘味と香りを引き立てる。絶妙な組み合わせ。
思いつくままに話したり、ぼうっと空や川の流れを眺めたり。SNSでよくある表現だけど、控えめに言っても最高。今度はもう少し道具を揃えて、デイキャンプもいいね、なんて話す。
その時のお供もきっと、コーヒーとシナモンロール。