葉っぱが欲しいのです
今住んでいる街は、近郊農業が盛んらしい。地元野菜を取り扱う八百屋もあるし、週末には農家直販の小さな野菜市が開かれる。
普段はスーパーでも買い物するが、こうした八百屋や野菜市に行くのは楽しい。
鮮度がいいし、時にはかなりお得なものもある。もっとも冬場に野菜市に行くと、売っているのはサトイモばっかり!なんてこともある。旬のものを売っているのだから、それはそれで仕方ない。
さて先日、地元野菜を売る八百屋に行った。店頭にはみずみずしい野菜が並んでいる。その日の目当ては、大根。長い葉っぱがついて、白くつやつやした立派な大根は、見るからに美味しそう。
会計を済ませた後、レジの人に、大根の葉っぱはどうするか聞かれた。
いずれにせよ、家に帰ったら葉っぱは切り落とす。その場で、切り落としてもらうことにした。
それはいいのだが、切り落とした葉っぱを捨てようとするではないか。葉付きの大根が欲しいので、スーパーではなく、その店で買っているのだ。
慌てて「葉っぱもください」と言い、無事に葉っぱももらった。
店にいた他の人が、大根の葉をどうするのか聞いてくる。そぼろと炒めたり、油揚げと煮びたしにしたり、特に変わったことはしていない。でも、どれも美味しくて好きなのだ。
そんな会話をするのも楽しい。
家に帰り、輪切りにした大根を干し、葉っぱでそぼろ炒めと、煮びたしを作る。
適当に切って、柚子胡椒で和える。その日の夕飯は、大根定食。
この時期だけの楽しみ。